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むこうがわ
8時に家をでる。
最近はもっぱら、朝が早い。

いつものように総武線に乗り込む。
遅刻を承知。
けれど中央線にはのらない。

いつもの車両の、いつもの場所に立つ。

あいにく、読書する本を忘れてしまった。

ここから観察が始まる。
つり革の色。留め金。窓の枠の形。ねじの顔。
車内広告をみつめる。
そこ反射し移りこむ、男の人。
半透明な鏡の世界。
半透明な世界の向こう側の生活を思い浮かべる。

現世での生活は、あえて思い浮かべない。
私と、その人という他人。この時点で、思い浮かべるのは、すでにむこうがわかもしれない。
けれど、もっとむこうがわで、互い違いの世界。
ずれは、光の速さと同じくらい。

いま、わたしのまえにも、半透明の世界がある。
明かりがきえれば、それは音も立てずに扉を閉める
by huskidbee88 | 2005-10-07 02:18 | 日常


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